MENU

Craft – 作品ができるまで


このページでは作品ができるまでをテーマに
普段は見ることのできない制作の裏側や
一枚の作品が少しずつ出来上がっている過程を綴っています。


完成した作品だけでは見えてこない
こだわりや、七虹の絵が生まれる瞬間を、
少しだけのぞいてみませんか。

01.コンセプトメイキング

おもが作品になるまで。




一枚の作品を描き始めるまでに
沢山のことを考えます

「自由ってなんだろう」
「愛ってどんな形だろう」

と何日も考えることもあれば


突然七虹の姿や
作品のイメージが頭に浮かぶ時もあります。

そこから
「私はこの絵で何を伝えたいんだろう」
と考え始めます。

七虹の表情や行動は
本当にこの作品に必要なのか。



何度も考えていくうちに

最初はぼんやりとしていたイメージと
自分の中にあった気持ちが少しずつ重なっていきます。

そしてその2つが1つになった時、
ようやくラフ画を描いていきます。

02.ラフ画

作品と向き合う時間


次はラフ画です。

しかしこの時点では

はっきりとした完成イメージは決まっていません。


頭の中のイメージを実際描くと何か違ったり、
イメージ通りに表現できない時もあります。

構図を変え、表情を描き直します。


そしてこの作品にどれだけ
七虹らしい自由とこだわりを入れれるかを考えます。


もっと遊べるところはないか、
キレイにまとまりすぎていないか、
七虹ならどんなことをするだろうか。

そんなことを考えながら、描いていきます。

私にとってラフ画は


頭の中にあったイメージに
七虹らしい自由やこだわりを重ねながら

少しずつ作品にしていく時間です。

03.本描き

納得できるまで描き続ける。

ラフ画が完成したら次は本描きです。

ラフで作品全体の形が見えてきたら
今度は七虹をもっと深く見ていきます。

目の向きがほんの少し変わるだけで

強く見えたり不安そうに見えたりしますし

口元や手の角度が少し変わるだけでも

与える印象は変わってきます。

だから私は
「キレイに描けているか」よりも
「七虹らしさ」を大切にしながら何度も考えます。


元気に見えるけれど、

本当は少し強がっているのかもしれない。

前を向いているけれど

心のどこかでは怖がっているのかもしれない。

そんな言葉にならない気持ちまで
一つの表情や仕草の中に

残せるように描き込んでいきます。


私にとって本描きは

ラフ画を整えるのではなく

描きたい思いと七虹の表情が

重なるところまで向き合う時間です。

04.ブラッシュアップ

作品を見つめ直す。



本描きが終わったら
一度作品をipadに取り込みます。


長い時間一つの絵と向き合っていると
少しずつ目が慣れて
自分では気付けなくなることがあります。



画面で見直すと紙の上では
気づかなかった小さな違和感が
見えてくることもあります。


そんな時は、表情をほんの少し変えてみたり
背景の余白を広げてみたり

紙では簡単に試せない細かな作業も
iPadなら確かめることができます。


「もう少し優しい表情の方がいいかもしれない」

「背景を描きすぎないほうが世界観が深まるかもしれない」


そうやって何度も試しながら

作品を描くうえで
一番合う表情と雰囲気を探していきます。

05.木材選び

ヒノキを選ぶ。

本書きまで終えると
次は作品の土台となる木材を探しにいきます。

私が作品に使用しているのはヒノキです。


強度があり、耐湿性や耐朽性にも優れ
日本では古くから建築材として使われてきた木材です。

これから何十年と

作品を支えていくものだからこそ

作品を長い時間支えてくれる木を選んでいます。

でも同じヒノキなら
なんでも良いわけではありません。

一本ずつ木目も違えば

反りや節の入り方も違います。

だから売り場では、

木材を一本ずつ手に取り、まずは反りがないか
集中して確かめながら選別していきます。

納得できる木材が揃わない日はそのまま次のお店へ。


二軒、三軒と木材を探して回ることもあります。

少し大変ですが「これなら使いたい」
と思える一本に出会えると

やっぱりすごく嬉しいです。


私にとってはこの「木」を選ぶ時間から
作品作りが始まっています。

06.キャンバスの土台をつくる。

土台にも、こだわる。


ヒノキを選んだ後は作品のサイズに合わせて
切断していきます。

ヒノキを運び、寸法を測り
少しのズレもないように慎重に切っていきます。


切り終えた後は切断部分をヤスリで整え
手で何度も触れて仕上がりを確かめます。



作品は見える部分だけで
できているのではありません。


見えないところも丁寧に作ることが
一枚の作品を支え、
雰囲気さえも変える力があると思っています。



一本一本のヒノキと向き合いながら
この木がこれから長い間
作品として誰かの人生を彩ってくれる。


そう思い浮かべながら作業をしています。


だからこそ私は
この時間をとても大切にしています。

既成のキャンバスを買えば
時間短縮になり楽かもしれませんが

私にとってはキャンバス作りも
大切な作品作りの一部です。

07.キャンバス生地を切り出す。

真っ白な布を広げる。


次はキャンバス生地を切り出します。

自分の身長よりも大きな生地を床いっぱいに広げ

作品の大きさに合わせて寸法を測り
ゆっくりとカッターを入れていきます。

切り出した布はこの後木枠に張られ
一枚のキャンバスになっていきます。



まだ何も描かれていない
真っ白なキャンバスを見ていると


「これからどんな作品になっていくんだろう」と
自然と想像が膨らみ、胸が高鳴ります。

08.釘打ち

木枠を組み立てる

次は釘打ちです。

でもすぐに釘を打てるわけではありません。

まずは木が割れないように1本ずつ下穴を開け
寸法をお確認してから、ようやく金槌を握ります。


釘が少し曲がるだけでやり直しになることもあれば
力の入れ方一つで

木を傷つけてしまうこともあります。

だから急がず、1本ずつ丁寧に打っていきます。

作品が大きくなるほど
打つ釘の数も増えていきます。


沢山のキャンバスを作る時は

気づけば手のひらに豆ができてきて
今日は本当によく金槌を握ったなと思う日もあります。

それでも出来上がった木枠が並んでいるのを見ると
疲れより嬉しさの方が大きくなります。

09.キャンバス張り

布が、キャンバスになる。

木枠が完成したら
次はキャンバス生地を張っていきます。


真っ白な布を木枠に重ね、
しっかりと張りながら

タッカーで一箇所ずつ留めていきます。

この作業は見た目以上に力が必要です。

布を引っ張りながらタッカーを打ち
反対側をまた引っ張り、打つ。

途中で力を緩めると布がたるみ、
仕上がりに影響してしまうため


力を抜かず、一箇所ずつ

張り具合を確かめながら進めていきます。

最後にキャンバスの表面を指で軽く弾くと
「ピン」と澄んだ音が返ってきます。

その音を聞くと自然に嬉しくなります。

一枚のキャンバスを貼り終えるたびに感じる小さな達成感。


こうして少しずつ絵を描く準備が整っていきます。

10.ジェッソを塗る

見えないところも丁寧に。



次はキャンバスの上に下地としてジェッソを塗ります。


一度に厚く塗るとムラができてしまい
思うような下地になりません。

なので、薄く塗っては乾かし、また塗る。


その作業を三回以上繰り返しながら
表面を滑らかに整えていきます。

ほんの少しの違いでも、絵の具のノリ方や筆の感覚が変わるので
ここは大切にしている工程の一つです。


こうした小さな積み重ねも
一枚の作品を作る大切な時間だと思っています。

11.キャンバスへ描き写す。

バランスを整える。



いよいよキャンバスへ下書きを書いていきます。

iPadで仕上げた本描きをプロジェクターで写し
全体のバランスをみながら


「もう少し顔を大きくした方が良いかな」と
調整し位置を合わせながら
キャンバスに描き写していきます。


ほんの数ミリ変わるだけで
作品の印象は大きく変わることがあります。

だから焦らず、納得できるまで何度も調整します。

頭の中で考え、紙に描き、
何度も調整してきたものが
真っ白だったキャンバスに少しずつ現れてきます。


その瞬間「ここから始まるんだ」といつもワクワクします。

12.色を重ねる

向き合う時間


ここまできて、ようやく絵の具を手に取り
色を重ねていきます。

でも私にとって、ただ色を塗る時間ではなく
七虹のことをもっともっと知っていく時間です。



「この色の方が七虹らしいかな」
「背景はこんな色が七虹を引き立てるかな。」

そんなことを考えながら色を重ねていくと
頭の中にいた七虹が

少しずつ目の前に現れてくる気がします。

描いている途中で思わず

可愛いなと笑ってしまうこともあります。

そして気づけば、この絵の続きを考えています。

今日は何をして遊んだんだろう、

ここへ来るまでにどんな景色を見てきたんだろう。


そんなことを想像しながら描いていると
いつの間にか作品を作っているというより
七虹と一緒に時間を過ごしているような気持ちになります。


だから私は急いで作品を作ることはできません。
少し描いては眺め、

一色一色重ねながら作品を完成させていきます。

13.タイトルを考える。

タイトルも作品の一部



タイトルは、絵を描き終えた後に考えます。

完成した作品をアトリエに飾り

この絵をもっと楽しんでもらうには
どんなタイトルがいいだろうと
何日も眺めながら考えます。


私がつけたいのは、
作品の答えになるようなタイトルではなく

タイトルを知ったことで
「これはどういう意味だろう」と
もう一度絵を見たくなるようなタイトルです。


「このタイトルなら作品の世界がグッと広がる気がする。」

そう思えたとき、ようやくタイトルが決まります。

14.完成

最後に

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

一枚の絵が完成するまでには
沢山の時間と想いが積み重なってできています。


考えて迷って書き直して。

うまくいかなくて最初から書き直す日もあれば



その日は満足していても、次の日に見返すと
どうしても納得がいかず、

それまで描いてきたものを手放し
もう一度一から考え直したりする日もあります。


それでも私は、その時間を無駄だとは思っていないし
その時間さえも愛おしく思うのです。

その1つ1つの積み重ねが
「七虹らしさ」につながっていると思うからです。

だからこそ完成したときに思うのは
「終わった」ではなく
「七虹に会えた!」という気持ちが一番大きいです。


そして心を込めて作った作品が私のアトリエから離れ
迎えていただいた方の人生を彩っていきます。

嬉しい日も落ち込んだ日も
何気ない毎日の中でも

ふと作品を見たときに
少しだけ心が軽くなったり笑顔になれたり。

七虹がそんな存在になれたら作者として
とても嬉しいことです。